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文蔵代表の真山久貴さんが若い頃から実践し続けた利益より大事な”かっこいい”事

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長野県ラーメン四天王にも名を連ね、佐久市内に3店舗+独立1店舗のラーメン店を展開する(暖簾分け店含む)文蔵グループ・株式会社文蔵スピリット代表の真山久貴さん。

インタビュー前には自身の経験を踏まえて、
「他のインタビューを受けている方のような”かっこいい”事は話せないですよ(笑)。」と話す真山さんは、20歳手前で上京してしばらくはラーメンと全く関係のない仕事をしていた。しかし、東京で食べた一杯のラーメンをきっかけにラーメン屋を開業する事を決め、26歳で独立し今に至るという。

20歳手前で上京

ーー上京されたのは何か理由があったのでしょうか?

10代の頃は、
「とにかくお金持ちになって、いい暮らしをしたら”かっこいい”。」
という思いが強くあったのですが、その頃はやんちゃな事ばかりしていた時期でもありました(笑)。
その思いを実現するためには、地元で小さくまとまっていたらダメだなと思って上京を決めましたね。

ーー上京してからはどんな事をされていたのでしょうか?

上京してからしばらくは普通に働いていて、仕事自体も楽しかったんです。
ただ、自分がこのままその仕事を続けていると“かっこわるい”なと感じてしまったんですよ。
そんな時に、東京の新宿にある麺屋武蔵のラーメンを食べる機会があったんですが、そのラーメンが僕の人生を変えました。

ーーラーメンが人生を変えた。。どういう事でしょうか?

麺屋武蔵の店内はとても活気があって、ラーメンの味も一流。そんな雰囲気と味を作り出す店員さんたちを、”かっこいい”と感じました。
それからは僕の中でラーメン屋=”かっこいい”ものに変わり、前の仕事を辞めてラーメン屋さんで働くようになったのですが、始めて1日もしないうちに自分が一生やりたい仕事はこれなんだ!と思ったんです。

!?ーー先ほどから話されている”かっこいい”、”かっこわるい”とは??

実は僕、若い時から全ての物事を
「”かっこいい”か、”かっこわるい”か」で判断するんですよ。
・お金を稼ぎたい
・経営者になりたい
・ラーメン屋を始めたい
他にもたくさんありますが、僕の行動は全てこの指針が元になっていて。
事業の中でも利益が出るけど”かっこわるい”事、利益が出ないけど”かっこいい”事であれば必ず後者を選びます。
今振り返ってみると、“かっこいい”事を選択した事によってどんな不利益を被っても自分の中で後悔というものがひとつもありません。
利益よりも大事なものは必ずあるので、これからもこの基準は貫き通したいなと思っています。

地元に戻りラーメン店を開業

東京での生活を経て、地元に戻ってくる事になったのですが、やりたい事(ラーメン店)と自分で何か事業をやってみたいという思いから26歳で独立しラーメン店を始め今に至ります。

文蔵について

ーー今の時点で考えられている文蔵の最終目標はありますか?

開業当初から「日本一を目指す」というのは常に掲げている目標です。
あとは、飲食業界に携わりながら、くすぶっている人間、頑張っている人間の応援をしたいと思っています。

ーー何を持って日本一なのでしょうか?

今後、まだまだ文蔵グループを拡大したいと考えてはいますが、まずは従業員が、
「この会社は日本一だ。」
と言ってくれる、思ってくれる事が僕にとっての「日本一の会社」です。
松下幸之助さんの、社長が従業員を使うのではない。従業員が社長を使うという言葉があります。
僕もこの言葉の通りだと思っていて、社長の役目は従業員の働く環境を整える。どうしたら従業員が会社にずっと居たいと思うかを考える事だと思うんですね。
その結果として、更に文蔵が大きくなって従業員の満足度もより良いものになっていくのが僕の理想です。

ーー文蔵のこだわりを教えてください

セントラルキッチンがあって、仕込みと調理が別れている事です。
この場所を作るまでは各店舗で仕込みを行っていたのですが、それには豚骨の匂いも出てしまうし、ラーメンの味にぶれが出たりもしてお客様から指摘される事もありました。
しかしセントラルキッチンを作ってからは、工場でスープ、麺、具材を仕込み各店舗に配送するので、味のぶれを極端に減らす事ができています。
それから店舗で仕込み、調理、接客の3つの業務を行っていた従業員の負担も、分業になった事によって一つ減らせたなとも感じます。

質問コーナー

ーー真山さん自身のこれからの目標を教えてください

仕事も生涯現役で行動、発信、挑戦を続ける事です。
この歳になったから落ち着くとかは一切考えておらず、このまま突き進んでいきたいと思います。

ーー真山さんにとって仕事とはなんでしょうか?

趣味ですね。
仕事がなくなったら死んでしまう気がします(笑)
多分僕は仕事をしているのが好きなんです。だから、今でも毎日店に出て働いていますね。

ーー経営者になった今でもいい暮らしをしたいと思いますか?

経営者になってから、もし僕が極端にいい暮らしをして、それをアピールしていたら従業員がどう思うかを考えるようになりました。
僕自身も若い頃、経営者がいい暮らしをアピールしているのを見ていい気持ちはしなかったので、僕はやらないようにしています。
それに今後どんな変化があるのかは分かりませんが、今の時点ではいい暮らしをしたいという思いはないですね。

ーー暖簾分け店にはどんな思いがありますか?

文蔵グループに一店舗暖簾分け店があるのですが、僕は独立思考を持っている従業員にはどんどん独立して欲しいと思っています。そしてできるだけの応援はしたいなと。
なので、暖簾分けを行うときもできるだけ独立する人間を圧迫しないように、金額についても配慮しています。
僕としては配慮によって独立する人が稼げるようになる事が”かっこいい”事なんです。
それにこれから独立を考えている人たちの夢にもなります。

ーーラーメン店を始めてから印象に残っている出来事はありますか?

3.11の東日本大震災です。
震災が起きた日は、文蔵で購入した移動販売車の納車日だったんです。ちょうど近くの保育園で出発式という事でラーメンを振る舞っていました。
その数日後に、ラーメン界の知り合いから炊き出しに行くぞと声をかけられて実際に被災地に行ったんですが、僕が行った所は津波の被害で瓦礫だらけだったり、原発が地震の影響を受けた場所でもあったり、正直心配な気持ちもあって乗り気ではなかったんです。

でも実際に行ってラーメンを提供したら、食べてくれた被災地の方々がとても喜んでくれて、涙を流しながら食べている方もいらっしゃいました。
それを見てラーメンは人を元気にする食べ物なんだと本気で感じましたね。
もちろんいつも店舗でラーメンを提供していてもお客様は喜んでくれるのですが、この瞬間は自分の中で言語化できない感情が湧いてきたのを覚えています。
その時から、人間は人の役に立って人から求められる事が生きがいなんだと気づき、その後も時間があれば、被災地に出向いてラーメンを提供していました。

若者に向けて

ーー真山さんはやりたい事がないという悩みを持った経験はありますか?

僕はやりたい事がなかった経験はありません。
常に自分の中の”かっこいい”と思う仕事をやってきて、それは全て楽しく感じました。

ーー真山さんの”かっこいい”が他人にとって”かっこわるい”だった時の対処法は?

それでも自分が”かっこいい”と思った事を貫きますね。
僕は自分がいけると思って決めた事はやる性格なのであまり動じないです。

ーーどうしても他人の声が気になってしまう場合は?

他人の声によって心が揺れてしまうのは仕方のない事なので、話を聞かない事をお勧めします。そういう人と話さなくていいし、場にも行かなければいいと思っています。
自分の中に確固たるものがあればそれで大丈夫です。

ーー若者に一言お願いします

今の時代はなんでも興味がある事はすぐに始めるといいと思っています。
まずは行動して、それから若さを活かしてガンガン突き進んでいって欲しいです。それが後々自分の力になります。

ーー最後にこの記事の読者に向けて送る言葉を教えてください

「変」。
常に変わり続けると言う意味を込めて!

【PR】株式会社文蔵スピリット

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