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(株)竹幸商店を経営する竹内浩太さんが10代の時に海外に行って気づいた事とは?

30代, AGE, WORK

長野県小諸市で株式会社竹幸商店を経営する竹内浩太さん。
株式会社竹幸商店は、ラーメン専門店「麺賊夢我夢中」と中華そば「やまさだ」を展開しており、同県上田市の暖簾分け店「麺賊喜三郎」のプロデュースも行っている。
元々は飽き性だったという竹内さんが、23歳で起業してからなぜ今までラーメンを続けてくる事ができたのか?

竹内浩太さんの今までについて

小学校時代

小学校時代は野球とプロレスの2足のわらじだった事を覚えています。将来はプロレスラーになりたいと思っていて、そのせいか本気のプロレスマニアでした。

中学校時代

この頃は、やんちゃな事もやったりしていました。
親のせいでもなく、学校のせいでもなくこれといった原因はなかったんです。
今考えてみるととにかく目立ちたかったのかもしれないですね。どうやったら自分がスポットを浴びる事ができるかを考えた時に、本当はスポーツができる事や勉強ができるという事があったんですが、それを自分の中に見つけられず、そういった方法を選んだのだと思います。それと、当時の先輩の軽音楽にも憧れてのめり込んでいた時期でもありました。

海外を旅する

高校は入ったんですが、卒業せずに中退しています。
中退後は、東京に出て建設業、鳶職、なんでも屋さんで働いていました。その頃、漠然としていますが、音楽にしろ、プロレスにしろとにかく「ビッグになりたい!」という夢がありました。
ただ、具体的に何をすればいいのかも分からないし、大人になるにつれて音楽もうまくいかない、プロレスラーにもなれないという状況からマイナスになってしまう事もありましたね。

そんな時に、街中に貼ってあるオーストラリア行きのチラシをたまたま目にする事があって、
「自分を変えるためにオーストラリアに行こう!」
と思い立ってオーストラリアに行く事にしました。
最初は、
「オーストラリアに行けば、自分というもの大きく変わってひとまわり大きくなれる。」
と思っていたのですが、実際に行ってみると何も変わることはありませんでした。
そこで、「環境を変えても、自分が変わらないと意味がない。」という事に気づきました。

起業

海外から帰ってきたときに、ちょうど私の父がやっていた建設業が、当時勢いのあったフランチャイズのラーメン屋さんの建設に携わっていました。
その中で、当時のラーメン屋さんが私の父に
「もし興味があるのであれば、ラーメン屋の経営をしてみませんか?」
という提案をしてくれたんです。そこで父から私にラーメン屋の経営の話がきて、それを始める事にしました。
これが全ての原点ですね。
とはいっても、当時は飲食店を経営するつもりもありませんでしたし、ラーメンは好きだけど作る事に関しては素人でした。

仕事について

ーー起業するときにリスクは怖くありませんでしたか?

もちろん最初は怖かったです。
でも今になって感じるのは、派手にやる事も時には大事という事です。もちろん出費を抑える事は重要ですが、私が経営しているラーメン店で話をしても、お客さんから見えない厨房にすごくお金をかけてあるし、ある程度大胆に使わないといいものは作れません。
”大事な商売道具はいいものを使った方がいい”と言うのが私の考え方です。

ーー起業してからサラリーマンに戻ろうと思った事はありましたか?

ないですね。正直、商売は10やってるうちの8は苦労なんですが、残りの2の楽しみ・充実感は私の中で何にも変えがたい物です。
だからこれまでもどんな事があっても乗り越えてこれたし、この仕事を始めてから「独立したら苦労も倍ある、その代わりに楽しみも倍」という事は常に感じ続けてきました。

ーー飲食業界で働くメリットを教えてください

飲食店で働くと自分の目の前のお客さんの反応をみられる事ですね。
実際に私達が作ったラーメンを食べていただいて、その反応を直接見たり聞いたりことができたり、
SNSで「おいしかった!」や、「とてもいいお店だった!」など、レビューをいただいたりすると本当にやっていてよかったなと感じることができますし、
竹幸商店のテーマは「気取らず暖かく」なのですが、その信念のもとに働いていることで実際にお客さんがそう感じてくれた時はとても嬉しいです。

ーー飲食業界で働くデメリットを教えてください

世間様が休んでいる時に働き、世間様が働いているときに休みをいただかなければいけない事です。今の働き方改革からすると逆行していますよね。
ただ、家族を連れて出かけた時は、平日に行くので混んでいた事がありません。それはメリットでもあります。

ーー竹幸商店の今の目標を教えてください

私自身、14年以上商売をやってきて、若くして起業したのでとにかく突っ走ってきました。
その中には根性論で考えてしまう事がどうしてもあったのですが、その部分を改善していきたいと思っています。例えば、飲食店だけど土日を休めるようにするために、今まで1店舗で1人しかできなかった作業を2人できるようにする。それによって土日に交代で休みが取れるようになるし、店としても1人を休ませるために、定休日を作る必要も無くなります。結果、店の売り上げも上がる。社員の環境を整える事によって、サービスの質も向上すると考えています。

ーー企業生存率が高くない中で生き残っている竹幸商店の経営者として今まで大事にしてきた事

これ!と言う事はあまり思いつきませんが、判断する時は自分で納得した道を選んできました。
経営者という職業上、判断する機会は多いのですが、利益や将来性の前に、自分の心の声を聞いて本気でやりたいと思える事をやってきました。

ーー竹内さんにとって仕事とはどんな物でしょうか?

少しかっこつけているようになってしまうかもしれませんが(笑)、あまり仕事とは思っていません。自分のやりたい事を今までやらせてもらってきているので、好きな事をしている感覚です。

ーー経営者のいいところを教えてください

自分の納得いくものを人の協力を得て作る事ができるところですね。

ーー竹内さんが働かれている原動力を教えてください

ここで働く仲間やお客様、そういった環境こそが原動力です。仕事終わりのビールも(笑)!

質問コーナー

ーー竹内さんはなぜそんなに挑戦できるのでしょうか?

そんな偉そうなことはいえないですが…。
頑張りすぎは禁物です(笑)。
私も若い頃、いけいけどんどんでやっていましたが、振り返ると誰もいないとか気づいたら疲れていたなんて事もありました。
その上で伝えることがあるとするならば、形から入るのがいいのではないでしょうか?。私自身の体験談で言っても「ビッグになる」ために、オーストラリアに行きました。何か形だけでも動いてみると、必ず行動に対しての結果が返ってきます。そこから何が足りないのかもわかります。
だから”お金が溜まったらやろう”だとか、”いつになったらやろう”ではなくて、とにかくやりたい事があるのならすぐに形にしてみる。

そうすると自分が挑戦せざるをえない環境を作る事ができます。

竹内さんの形から入った体験談

居酒屋「ご馳走家火付盗賊」を始める時点で、開店する1年前に居酒屋の名刺を作って色々な人に配りました。名刺を渡した人には、みんなにどこにあるの?と聞かれるんですが、これから作るんです!と説明してました。

ーー若い人と仕事をする時に心がけていることはありますか?

若い人には是非、「心を育てて欲しい。」と思っています。技術や知識はその場にいればある程度は身につくかもしれませんが、心は違うのかなと思っています。
仕事一つにしても、心を込めているとお客様のことを思って仕事ができるので、仕上がりは全く変わってきます。

ーーお金とはなんでしょうか?

”絶対に必要なもの”です。経験からすると、お金が目標になっている時は、上手くいかないことが多かったのかなと思っています。
でも、お金に追われていない時は自然に溜まっていたような気がします。

若者に向けて

ーー人生が変わった出来事を教えてください

オーストラリアに行った事ですね。周りの人にたくさん助けられた事によって、人の温かみを感じました。それまでは、自分がスポットを浴びるために派手に生きていましたが、人に感謝して心から”ありがとう”と言えるようになったのはオーストラリアでの経験のお陰です。

ーー人生で出会ってよかった人を教えてください

これまで携わってくれた全ての人に感謝しています。

ーー人生で失敗した経験を教えてください

細かい失敗も入れるならば、失敗だらけの人生でした(笑)。
でも失敗は何かにチャレンジした証ですし、失敗があるから今があるのかなとは思っています。

ーー「やりたい事がない」、「何をやったらいいのかわからない」と言う若者にはどんな言葉をかけますか?

そのまま自分が本当にやりたいことを探し続ければいいと思っています。
私も小さい頃、人前でパフォーマンスをするプロレスラーを目指していましたが、実際プロレスラーになっていません。
しかし、その夢が形を変えて今やっていることに繋がっています。読者の皆さんの夢がいつ見つかるのか、どんな夢なのかは分かりませんが、それが見つかったのであれば、突き進んで欲しいです。
人はやりたい事をやっていると、苦労も我慢できるんですが、やりたい事をやっていないと我慢できないような気がします。
例えば、絵が好きなら自分の絵を買ってくれる人を探せばいいし、バンドマンならCDを買ってくれる人を増やせばいい。そうすれば好きな事をして生きていく事ができます。

ーー最後にこの記事の読者に向けて送りたい言葉を教えてください

「志」ですね。志を持って生きて欲しいです!

株式会社竹幸商店について

株式会社竹幸商店のHPはこちら