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ラーメン店「とんちき麺」を経営する柳澤知宏さんが話す若者の不安との向き合い方とは?

30代, AGE, LIFE

長野県佐久市アムアムビレッジの1階に店舗を構えるラーメン店「とんちき麺」を経営する、柳澤知宏さん(34)。
23歳で独立して、ラーメン店を始め、33歳の時に法人化して株式会社鷹山社中を設立。ラーメン店の他にも、麺などの卸業や移動販売者でのラーメンの提供なども行っている。

そんな柳澤さんも、起業するまでは将来に対する漠然とした不安に悩み、俳優を目指して東京に行ったり、様々な職種で働いていたという。今回柳澤さんには、自身の経験を交えて、10代〜20代に感じる不安との向き合い方をお話しいただいた。

常に悶々としていた10代〜20代にかけて

起業まで

10代から20代にかけては、人生の中でも不安が多かったですね。
僕は高卒で社会人になったのですが、
「同世代の大卒が就職する時には、絶対にその人達よりも給料を稼いでやる!。」
と思っていました。
ですが、実際は社会に出たばかりの若者が思うようにお金を稼げる訳ではないし、その先も考えていませんでした。
その間にも同世代の学生は就職に近づいていく事から次第に焦りの気持ちが大きくなっていき、そんな気持ちからか、俳優を目指して東京に行ってみたり、色々な職を経験してみたりもしましたが、どれも最後までやり切る事はなく、漠然とした不安は消えませんでした。

起業

元々、社長になりたい!と言う思いはあって、23歳の正月に立てた目標にも「独立」と書いたのを覚えています。
そんな事から、23歳の時に独立して、ラーメン店を始めました。
この時も、漠然とした不安は消えていませんでしたが、だからこそとにかく不安と戦うしかないと思いで起業しました。

起業の前から何か準備をしていた事はありましたか?

今思えばあまりしていませんでしたね(笑)。
一つだけ言うとするならば、自分のやる事を口に出すようにしていました。
周りに起業する事を先に宣言するようにして自分の退路を断ちましたね。

起業する時に、最終的なゴールを決めていましたか?

決めていません。それは今でも一緒でお客さんが食べたいラーメンや、僕自身がやりたい事も常に変化していきます。
もちろん信念はあって、ウチにラーメンを食べにきてくれた人、鷹山社中と関わる全ての人を幸せを感じてもらいたいという気持ちは、全ての行動の軸にするようにしています。

なぜラーメン店を始めたのでしょうか?

正直に言ってしまうとラーメン店をやりたくて起業をした訳ではありませんでしたが、その前にラーメン店で働いていた経験があったので、自分の出来る事(経験)の中から一番起業にマッチしている分野(ラーメン店)を選びました。

やりたい事を選ばなかったのは何故でしょうか?

そもそも僕は、
やりたい事=与えられた事
と考えています。

例えば、野球選手になりたい人がいたとして、その人は必ず野球に触れた事があると思うんですね。自分でプレイしてみたり、テレビを見たり。
それは、誰かから野球に触れる機会を与えられたのであって、いきなりやりたい事として降ってきた物ではありません。
そして、やりたい事=与えられた事は人によって違います。
まずは、自分のやりたい事=与えられた事を確認してみて、その中から自分の信念や守りたい物と照らし合わせて、最後にお金を稼ぐ方法を考える。
その結果、23歳の僕はラーメン店を選択しました。

起業してから

起業する前は、なんのために仕事をしているのか、この仕事を続けていいのかと思っていましたが、起業してからは自分の中での目標(自分が生きていくために仕事をする事)が明確になりました。

起業してからはどんな20代でしたか?

大変な事、上手くいかない事もたくさんありましたが、もう少しだけ頑張ろうと思ってやり切ってきた20代でした。
結果として30歳を過ぎてからすごくラクになりましたね。

職業としての経営者のいいところを教えてください

自分がやる事を止められないので、とにかく実現までのスピードが早いです。
それが一番のメリットですね。

職業としての経営者の悪いところを教えてください

リスクがある事ですね。ただ、逆に言えば上手くいってもいかなくても自分の責任になります。
その他にも細かい事はたくさんありますが、デメリットよりもメリットを多く感じる事が出来るので経営者を続けていられます。

起業してから批判的な意見を受ける事はありますか?

もちろんあります。
経営していて、ただ無難な味のラーメンを毎日出していればいいとは思っていません。
だからこそ表現をする中で、味が美味しくないとか、接客態度が悪いだとか指摘されたりする事があります。

批判的な意見とはどう向き合っていますか?

20代の時は、ネガティブになってしまう事もありましたが、今では気にならなくなりました。
恐らく少しずつ自分のネガティブな感情との向き合い方が分かってきた。慣れてきたのだと思います。

若者に向けて

今の若者に柳澤さんの世代との差を感じる事はありますか?

今の若い世代は発信のハードルが下がったように感じます。
僕が若い頃は、若い人がいい意見を持っていても黙って我慢しなければならない事が多かったですが、いい意見に年齢は関係ありません。
それに比べて、今はSNSであったり、様々な情報を発信するツールがあるので、同じ事を思っている人や、応援してくれる人を探したりする事ができます。
それは凄く今の若者にとってメリットだと思いますね。

「やりたい事がない」、「何をやったらいいのかわからない」と言う若者にはどんな言葉をかけますか?

最初にも説明した通り、僕はやりたい事は与えられた事と等しいと思っています。
だからやりたい事を無理矢理探すのではなく、自分の中で与えられた事の中から出来る事を探してみて欲しいです。

読者に向けて伝えたい事はありますか?

これから社会へ出る皆さんへ
社会に出ると、必ず僕も抱えていたような漠然とした不安や悩みを抱える事があると思います。
その漠然とした不安や悩みは何をやっても消える事はありません。でも、自分がレベルアップしてその不安や悩みに対する耐性をつける事はできます。
なので、辛いから、不安で苦しいから辞めるを続けるのではなく、ストレスの元と向き合って欲しいです。

最後にこの記事の読者に向けて送る言葉を教えてください。

「知」です。たくさんの事を知る事で世界は必ず広がります。
まずは、自分に与えられた事を知る。知る事をいつまでも止めない事が大切だと思います。